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沼津移住約3ヶ月、もしくはアニメ聖地暮らしのリアル

この記事は

となります。

前置き

アニメの舞台になった土地の話題で、ファンの方がよく「アニメのキャラクターを近くに感じられる」的な話をしているのを見るが、自分はその意見に100%は賛同できない。

オタクが聖地巡礼に出かけるモチベーションとは何か? もちろん、アニメや漫画の中にある世界に近づきたいという欲求も一因だと思うものの、そこには「好きの気持ち」を何かの行動に変換せずにはいられないフラストレーションのようなものがあるんじゃないかと考えている。

イラストや音楽、文章といった手段で二次創作作品に昇華するようなスキルを持ち合わせた人間ならばいざ知らず、そういった何か秀でたスキルを持たない人間ができることとは何か? その答えのひとつが移動である。

「何か好きな作品に関連することがしたい。けど自分に何か特別なことができるわけではない。」 そう思ったときに、舞台になった土地に出かけるという選択肢が生まれてくるのではないか?

少なくとも自分の場合はそうだった。

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沼津駅前、回送表示で遊んでいるラッピングバス

そういうわけで、自分の場合は「ラブライブ!サンシャイン!!」という作品をきっかけにして、それまで1年半ほど住んでいた東京都豊島区から静岡県沼津市に引っ越した

そのあたりの話は以前の記事 ありがとう池袋、こんにちは沼津 に書いたので、詳しくはそちらを参照されたい。

今回は引っ越し時点から約3ヶ月が経った現在の心境なんかを書いていく。

地方都市の賃貸事情

これは以前の記事にも書いたが、豊島区の1Kよりも2万ほど安い家賃で1LDKの中層階角部屋に住んでいる。

自分の場合は部屋の広さや築年数、駅からの距離なども重視したので極端に安くはないが、条件を緩めれば1LDKでも更に安い部屋を探すことは容易だろう。 というか東京の家賃事情が高すぎる

後述するとおりほぼフルリモートで勤務しているので、仕事部屋と寝室を分けることによる精神上のメリットは大きい。 引っ越した当初は朝起きてまず寝室から居間まで「歩く」という行為が発生することに感動した *1

フルリモート勢は独り身でも1LDKに住むべき

地方都市の食事事情

沼津はクソ田舎というほどではない地方都市で、JR駅の周囲も多少賑わいはあるので、歩いていける範囲にも飲食店がいくつかあり、普通に暮らす上での不便はそれほどない

コンビニやスーパーも数分歩けばある。

特筆すべきは港町特有の海鮮系の充実度合いで、駅ビルにも沼津魚がし鮨の店舗があり気軽に寿司を食べられるし、少し車を走らせれば沼津港で1000円の海鮮丼をいただくことも可能である。

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これは1000円では食べられないちょっと良い寿司

じゃあジャンキーな飯はどうなのかというとそこも割と困っておらず、チャリでマクドナルドに行くこともあるし、港の近くにあるラーメン屋「松福」にもほぼ週イチで通っている

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松福のラーメンは沼津市民のソウルフード

在宅ワーク

自分はアプリケーションエンジニアとして都内の某サービス企業に努めており、現在はほぼフルリモートに近い形で勤務している。

自宅には電動昇降スタンディングデスクとハーマンミラーのセイルチェアを導入しており、以前 最強の在宅ワーク環境を作った の記事に書いて以来使い続けているが、部屋が広くなったのでデスクの天板を140cm×80cmの大きいものに置き換えた

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FlexiSpotの電動昇降フレームとKANADEMONOの天板を激推し

先日久々にオフィスに出社して実感したが、この環境はあきらかにオフィスよりも快適だ。

ちなみに、東京に出社する用事があったときは在来線と新幹線の選択肢があり、在来線なら約2時間半、新幹線 (三島乗換) なら1時間ちょっとでオフィスに辿り着ける

毎日通勤しろと言われたら厳しい気がするが、在来線往復分の通勤交通費 (×出勤日数分) は出るし、週1くらいならやれなくはないと感じる。

週末都民

プライベートではオタク屋さんを営んでいるため、なんやかんや多いときで毎週末、少なくとも月に2回程度は東京に出る用事がある。

前述のとおり東京に出るまでの時間・費用は多少覚悟が必要だが、だいたい課金して東海道線グリーン車や新幹線に課金するので座れないということはなく、移動中に何かしらの作業はできるので今のところそこまで苦労はしていない *2

特筆すべきは距離に対して終電が比較的遅いことだ。

在来線でも東京駅からの終電は22時22分、新幹線併用なら22時48分である。

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こだま815号には既に何回かお世話になっている

幕張メッセのような僻地から日曜夜に帰るのは若干面倒だったが、横浜アリーナからの帰りはヘタな埼玉県民よりも早かった。

ありがとう東海道線、ありがとう東海道新幹線

日常に入り込むラブライブ!

沼津の街を歩けば、ほぼ確実にラブライブ!的な何かと遭遇する

沼津駅南口を出ればデカデカと「LOVELIVE! SUNSHINE!!」の文字が光っているし、

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駅前の居酒屋に入ったらなぜか唐可可 (タンクゥクゥ) がいるし *3

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スーパーでAqoursコラボののっぽパンをつい買ってしまうし、

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ラッピングバスを見ない日はほぼないし、

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普通の喫茶店にもよく見ると小原鞠莉がいる。

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何でもない日を大事にする

沼津の最大の魅力とは、ほどほどの都市感と自然の豊かさが同居していることだ。

それが自分にとってはなんだか心地よくて、特に予定のない日もなんだかワクワクできるようになった。

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市街地から少し車を走らせれば、海岸線と一緒にぐねぐね曲がる県道からの眺めを楽しむこともできる。

昼前に起きてランチを食べたら、山に登って少し汗をかき、山を降りてサウナに向かう休日もいい。

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港町だからなのか、ふしぎと街を闊歩するネコにもよく遭遇する。

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こんなスローな日々も悪くないと感じている。

ネガティブな話

もちろん良いことだけではない

エンタメ系のイベントが東京圏で開催される関係で、自分は結構な頻度で沼津と東京を往復しており、その交通費を含めれば家賃が安くともトータルでプラマイゼロとも言える。

お洒落な店舗で服を買いたい人や、美術館や博物館によく足を運ぶという人にとっても東京までの距離は大きなデメリットに違いない。

エンタメや文化資本の豊かさを考えるなら、大都市の方がそりゃあ百倍千倍強いに決まっている。

駅の近くに商業施設がそこそこあるとはいえ、ららぽーと沼津に行くにも伊豆方面に出かけるにも車がないと不便だし、もし車や免許がなければこれまで書いてきたような楽しみ方もいくらか制限されてしまうことになる。

自然の豊かさと引き換えに、ハザードマップで見ると問題のあるエリアも多くあり、住む物件によっては害虫に悩まされることもあるだろう *4

しばらく住んでみて、いちばんのデメリットとして感じるのは近くに知り合いが少ないことだ。

自分の場合、知り合いの多くは東京近辺に住んでいるため、平日夜にふらっと飲むなんてことはなかなか難しい。 コロナ禍が落ち着いてきて、世間が数年前と同じような賑わいを取り戻していくにつれ、多少さみしさを感じたりもする。

とは書いたものの

トータルで言えば今のところ沼津暮らしには満足しており、大きな状況の変化がない限りはしばらく住み続けたいなという気持ちでいる。

不便なこともあるけれど、晴れた日の夕方に「ラブライブ!サンシャイン!!」のサントラを流しながら内浦界隈の海沿いをドライブすると、すべての不満がどうでも良くなってしまうから――

そんなわけで沼津近辺にお住まいの方、大都市在住だけどラブライブ!や地方移住に興味がある方、もしよければ下のボタンを押してほしい *5飲みましょう!

*1:以前住んでいた 1K だとほぼ歩かずに屋内の生活が完結してしまうのだった

*2:ただし、三島〜函南間は電波が皆無なので、そこだけ在来線だとちょっと辛い

*3:さかなや道場 沼津南口店

*4:実際、自分の部屋のベランダにもコバエやカメムシ、クモなどの虫がよく出没する

*5:押してもTwitterの投稿画面が出るだけで自動ツイートはされないから安心してほしい。Thanks : 「飲みに行くぞ」ボタンブログパーツ