ラブライブ!サンシャイン!! パズルラリーのススメ
この記事はラブライブ! Advent Calendar 2016 - Adventarの1日目の記事として公開されました。
ご挨拶
というわけで、ラブライブ!Advent Calendar 2016が始まりました!
2014年に別の方が主催されていたラブライブ!Advent Calendarに参加し、参加した声優さんのイベントについて書いたりしたのですが、今年は同じ趣旨のものが見つからなかったので気軽に作ってみました。
ちなみにAdvent Calendarとは何かというと、下記のようなイベント、あるいはエンジニア発の文化です。
Advent Calendarは本来、12月1日から24日までクリスマスを待つまでに1日に1つ、穴が空けられるようになっているカレンダーです。WebでのAdvent Calendarは、その風習に習い、12月1日から25日まで1日に1つ、みんなで記事を投稿していくというイベントです。
引用元:Adventar
改めて考えると、2016年は、μ'sがファイナルライブを成功させ、ラブライブ!サンシャイン!!のアニメが放映された年です。 サンシャインのアニメが終了し、動きが一段落したとは言え、我々にはまだまだたくさんの語るべきことが残っているのではないでしょうか。
μ'sのことでもよし、Aqoursのことでもよし、中の人のことでも外の人のことでも、曲についてでも。 具体的なイベントのことを語ってもよし、何かしらラブライブ!に触れることのある話題であれば、なんでもOK!という趣旨のカレンダーなので、是非気軽に参加していただければと思います。
これを書いている時点でまだ枠が10日以上空いているので、何卒よろしくお願いします。
・・・
ここからが本題になります。
「ラブライブ!サンシャイン!! パズルラリー」とは?
ラブライブ!公式が沼津・三津の旅館組合とコラボして開催している下記の企画(正確には「ラブライブ!サンシャイン!! 沼津・内浦&西浦お宿探訪パズルラリー」)のことです。
一言で言うと、ラブライブ!サンシャイン!!の舞台でもある沼津・内浦地区近辺の宿を回り、宿泊したり、お食事をしたり、お土産を買ったりして所定の金額を使うことで、宿ごとに決められたパズルのピースをもらうことができ、それらを集めてパズルを完成させると、三津観光協会公認の認定証をもらうことができる・・・という企画です。
わたしは先日、2日間でパズルラリーに参加しているお宿を周り、パズルを完成させてきました。
2日間でサンシャインパズルラリー完了~ 60人目デシタ!! pic.twitter.com/Z9ICZHDCG6
— とんどる (@tondol) November 4, 2016
なるほど、町おこしとしてはおもしろい取り組みで、オタクは単なる聖地巡礼以外の目的を持って内浦地区を訪れることができるし、宿としてはこれまで接点のなかったお客さんを得ることができる、ファンにとっても地元の観光業の方にとってもWIN-WINの素晴らしい企画であるようにも思われます。
ところが・・・
敷居の問題
この企画、率直に言ってファンにとっての敷居が高いです。
まず、単純に東京からそこそこの距離があること。 首都圏に近いとは言え、東京から内浦地区へは車で行っても約2時間半、公共機関を乗り継ぐなら3時間弱は掛かる道のりです。秋葉原のように仕事帰りにふらっと・・・というわけにはいかず、それなりの熱量を持って現地に向かう必要があります。
さらに、費用も馬鹿にはなりません。パズルのピースを集めるには各お宿で1,000円(1ピース)もしくは2,000円(2ピース)を使う必要があり、加えてパズルラリーの開始時にパズル枠を1,000円で購入する必要があるため、全12ピースを集めるのに最低13,000円が掛かります。 もちろん、実際には交通費やその他の飲食・観光に掛かる費用も加わるため、20,000円は下らない費用が必要になるでしょう。
もう一つ、こちらの地図をご覧ください。
沼津駅から内浦地区へはおよそ14キロ。 これはまあ、内浦地区を訪れるなら避けることのできない移動なので、いいとしましょう。
問題はパズルラリーの参加お宿が内浦地区(ABCD)・西浦地区(E)・大瀬崎(FG)の3ヶ所にまたがっていることです。 内浦と西浦は約5キロ、西浦と内浦は約10キロ離れており、しかも大瀬崎に向かう道は海岸沿いを行くかなりの山道です。 仮に西浦までは内浦からがんばって歩けたとしても、その先の大瀬崎に歩きで向かうのは現実的ではないでしょう(気合で歩いた人もいるという噂を聞きましたが・・・)。 このことからも、公共交通機関で向かう場合は事前の計画を立て、使う交通機関を予め決めておかないと交通手段がなくなってしまう、ということが分かるでしょう。
まだ困難があります。それは、各お宿の営業時間の問題です。
これはわたしがパズルラリーに参加したときに作った自分用の営業時間表ですが(浜の家さんは11時から15時まで営業、という風に読みます)(曜日や時期によっても営業時間は変わりますので、正しい情報については必ずパズルラリー公式サイトをご参照ください)、見ての通り、多くの宿は午前中〜お昼の時間帯しかパズルラリーの受付をしていません。 なので、短期間でのコンプを目指す場合、営業時間を考慮しながら効率的な周り方を実践する必要があります。
と、ここまで敷居の高さについて書きましたが・・・
パズルラリーの喜びとは
逆に、パズルラリーに参加することで得られる喜びとは何でしょうか。
それは端的に言って、聖地巡礼だけにとらわれずに、内浦や西浦という土地が持っている本来の魅力に触れられることです。
もちろん、パズルラリーという目的を達成することで得られる喜びもあるでしょう。 ただ、わたしの場合は、パズルラリーという企画があったおかげで、何回か行ったことのある沼津・内浦地区にもう一度足を運ぼうと思えたし、特に聖地として知られているわけでもないお宿に泊まることになり、結果的に「内浦はいいぞ」「西浦もいいぞ」と素直に思えるようになりました。
なので、個人的にはパズルラリーに参加されているお宿を「少なくとも現地に1泊しながら」回ることをお薦めします。
パズルラリーだけを目的にして、極限に最適化された動きで回ることができるなら、恐らく1日でパズルをコンプすることは可能でしょう。 しかし、それだと満足に観光もできないし、体験としてちょっともったいないと思うのです。
ラブライブ!サンシャイン!!が生まれた土地の雰囲気を感じながら、おいしいお魚料理を食べたり海を眺めたりしたくありませんか? 淡島神社に登って汗をかいてから桜内梨子ちゃんも入ったであろう温泉に入りたくないですか? パズルラリーは、きっとそんな願望を叶える道標になる企画なんじゃないかと思うのです。
パズルラリー参加記
というわけで、長い前書きになりましたが、ここからわたしが実際にパズルラリーに参加したときの感想やtipsなどを書いていきます。
G. シーサイドイン大瀬館さん
前述の地図や営業時間を見れば察していただけるかと思いますが、このスタンプラリー、コンプする上で最大のハードルとなるのは大瀬崎にある2つのお宿です。
なので、まずは初日、まっさきに大瀬崎を回ることにしました。 今回は知り合いの自家用車に載せてもらって行ったので、行き方に関して特に気にすることはありませんでしたが、公共交通機関の場合はオンデマンドタクシーが有力な手段になると思います。 路線バスは往復の本数が少ないので厳しいんですよね・・・。
まずはシーサイドイン大瀬館さん。
等身大パネルはルビィちゃんでした。いきなりピギィとは縁起がいいですね!(謎)
大瀬館さんはなんというかルビィちゃん愛がすごい。巡礼ノートもありました。 ピースをくれるときも「うちはルビィちゃんのピースね」と言いながら渡されます。 おかげで、直前に軽く接触事故を起こしてしまった(人身事故ではありません)ことも忘れて和むことができました。
こちらではパズル枠を購入してから、ドリンクとお土産で2ピース分の2,000円を達成。 お土産ですが、置いてあるグッズ類は正直あんまり欲しい!という感じにはなれなかったので、普通に会社で配る用に静岡っぽいお土産のお菓子とかを買いました。 食事処の窓からめっちゃダイビングしている人が見えるので、「海の音が聞きてえ・・・」という感じになります。わたしもその内潜ると思います。
F. オーシャンビューフジミさん
フジミさんは大瀬館さんから歩いてすぐのところにあります。 ダイバー向けショップという感じの佇まい。
等身大パネルは果南さんと曜ちゃん。
ここでは「アジのひもの定食」をいただきました。メニューの「みかんじるこ」も気になりますね。 ここは2ピースのお宿なので、残り約1,000円分をどうしようか、と悩んでいたところ、女将さんに「お風呂はどう?」と提案されたので入浴してみることにしました。
お風呂なんですが、なんというか、海から上がったダイバーさん向けのお風呂でした。 底に溜まっている砂とかがザラザラしている。
フジミさんを出てから、少し大瀬崎の岬を回ってみました。
岬の部分は大瀬神社という神社になっているのですが、その中に「神池」という池があります。 「神の池っていうくらいだからSRか。いやURくらいか?」と思いながら行ったのですが、ただの濁った池でした。 周りは海に囲まれながらも淡水の池ということで珍しいらしい。
E. 駿陽荘・やま弥さん
長井崎中学の一帯や、PV撮影の回で登場した長浜城跡などを巡礼していると、辺りはすっかり暗くなってしまいました。 車を走らせ西浦方面へ。
この日は駿陽荘・やま弥さんに宿泊することにしました。 等身大パネルは花丸ちゃん。
予約のときに「手巻き寿司コース」というのをお願いしてみたところ、夜ご飯に食べきれないほどのお刺身が出てきました。 写真には映っていませんが、揚げ物系のお魚料理や煮付け系のお魚料理も登場。 ボリュームが半端じゃありません。 ちなみに、お店の親父さん曰く「手巻き寿司はやま弥が発祥」とのことでした。ホンマかいな。
あと、これはレポするときに絶対に書こうと思っていたことなんですが、店頭のずら丸パネルは営業時間が終わると玄関内にしまわれます。 で、やま弥さんは宿泊用のお部屋から食事処やお風呂に行くときには必ず玄関を通る構造になっています。すると何が起こるか。
お風呂に行こうと思うと玄関にずら丸が居ます。 お風呂から上がって部屋に戻るときもずら丸が居ます。 朝起きて朝ごはんを食べに行くとずら丸が居ます。
やま弥さんは、誤解を恐れずに書くと、「超絶美少女の看板娘が居るお宿」を体験できる場所と言えるでしょう。
たとえば、わたしがサンシャイン世界線の内浦に住んでいたとしたら、中学時代、花丸ちゃんと同じクラスで、あんまり直接話す機会もなくて、だけれどもなんとなくあの子のことが気になっていて、たまに笑顔で挨拶してくれるとそれだけで一日上の空になってしまったりして・・・という感じだったと思うんですが、そんな気分を少し味わうことができます。
ご飯を食べるときに女将さんから地元ならではのお話を色々聞くことができたので、そのあたりTwitterに書いたものをこちらにも載せておこうと思います。
ちなみに、みかんは九州でもたくさん作られているが、暖かすぎるところだと甘すぎて味がボケてしまうので、今は西浦くらいの場所で作るのがちょうどいいとのこと。あと数十年たったら温暖化でもっと北で作らないといけなくなるかもね、とは女将さんの談。
— とんどる (@tondol) November 5, 2016
やま弥の女将さんに聞いた話②
— とんどる (@tondol) November 5, 2016
松月cafeから淡島方面に向かう道の途中にのっぽパンののぼりが立っている商店(辻宗商店)があるが、そこの息子さんがのっぽパンを作っているパン工場(バンデロール)に勤めているので、お店のおばあちゃんが歩きの観光客が立ち寄ってくれるよう設置したらしい
…運転手さんがなかなかバスを発車させないのが嫌だったとか。しかし、サンシャインのアニメが始まった頃、お孫さんもそれを録画して見るようになり、今ではすっかりハマってしまったとのこと。Aqoursのキャラクターのことも「おばあちゃん知らないのー?」と教えてくれるくらいになったとか
— とんどる (@tondol) November 5, 2016
「花丸ちゃんをイメージしたセットも考えたからぜひ食べに来て欲しい」とのことなので、パズルラリーでやま弥さんを訪れた人は迷ったらこのメニューを頼めばいいと思います。鯛みそコロッケとデザートは新しく作ったもので、地元の方も物珍しさで注文したりされているそう pic.twitter.com/yi3tmVQf2r
— とんどる (@tondol) November 5, 2016
結論として、これだけの体験ができて9,000円ほど(手巻き寿司コース含む)で済むって脅威のコスパだと思いました。 今回の巡礼が素敵な思い出になったのも、やま弥さんで泊まったことが大きいと思います。
D. 浜の家さん
やま弥さんをチェックアウトしてから、あわしまマリンパークで遊んだあと、お昼どきに浜の家さんに行きました。
等身大パネルはシャイニー。
他のお宿もハシゴする予定だったので、お店には申し訳ないながらも、1人1ピース分の1,000円を目安に、エビのお刺身とさざえの壺焼きをいただきました。
例のビーチを間近に眺めながら気軽に海鮮料理がいただけるのは恐らくここだけだと思います。
B. とさわや旅館さん
続いてとさわや旅館さんへ。 等身大パネルは善子。
食事は鯵のたたき定食をいただきました。それだけだと2ピース分の2,000円に届かなかったので、お店のお姉さんに相談しつつ、いくつか一品料理も注文しました。 たたき定食の鯵ですが、目の前でヒレがピクピクするレベルの鮮度なので、普通にビビります。 命の大切さに思いを馳せないわけではありませんが、まあ美味しさには勝てませんね。
パズルラリーのお客さん向けにヨハネをイメージしたシーフードカレーなどもありました。 選択肢に迷ったらそちらを頼めばいいと思います。
C. 松濤館さん
わたしは今まで、内浦地区でもっとも高級な宿は淡島ホテルだと思っていたんですが、上には上が居ました。
恐らくパズルラリーという企画がなければ足を踏み入れることも許されなかったであろう高級旅館、松濤館さん。 ダイヤさんの等身大パネルも、立派な壺と同じ並びにあるせいか、旧家のお嬢様としての確かな存在感を放っています。
1,000円ちょうどで決め打ちのデザート・ドリンクがゴージャスなロビーで食べられる仕組みになっていて、オタクが悩む余地は一切ありません。 他のお店での食事のあとに、デザートを食べるつもりで伺うのがいいでしょう。
A. 安田屋旅館さん
ラストはこちら、安田屋旅館さん。 「太宰治ゆかりの宿」というキャッチコピーとラブライブ!グッズだらけのラウンジが奇妙なバランスで両立する、内浦随一の歴史のある旅館さんでもあります。
等身大パネルは屋内にありました。 千歌ちゃんと梨子ちゃんのコンビ。 曜ちゃんは・・・アレ・・・? 幼馴染とは・・・?
1,000円で入浴ができるので、それに加えてラブライブ!コラボのタオルやお土産を購入し、2ピース分の2,000円を達成するのがいいでしょう。 個人的には、淡島神社の昇り降りなどで汗をかいたら、ここで入浴して帰る、というのが内浦観光における定番の流れになっています。
古きよきMicrosoft Wordで作られたと思われる、地元の小学生による観光紹介冊子があります。 最近はすっかり珍しくなってしまったワードアートらしいワードアートの乱舞に心が踊りますね。
ゴール. 三の浦観光案内所
最後に、三の浦観光案内所で認定証をもらいます。
ローカルニュースで取り上げられた際に「一見アニメショップのように見えますが・・・」と紹介されてしまうほどにラブライブ!のラッピングまみれですが、ここが目的地の観光案内所で間違いありません。 おばちゃんが達筆でオタクの名前を認定証に記入してくださいます。
受付時間は16時まで(電話したら17時までOKのときもあるようですが)なので、うっかり認定証をもらえないまま帰る羽目になってしまわないよう、すべてのお宿を回ったあと、案内所に寄るだけの余裕を確保しておきましょう!
おわりに
そんなわけで、わたしがパズルラリーをコンプしたときの大まかな流れを紹介してみました。
わたしの場合は自家用車で回りましたが、公共交通機関を利用する場合でも、しっかりと計画を立てれば決して不可能な日程ではないでしょう。 とはいえ、変に無理して慌ただしい日程をこなすよりは、冒頭に書いたように、宿泊を挟んで食事や観光を楽しみながら回るのが理想だと思っています。 リーズナブルに海鮮を死ぬほど食べられる沼津は最高。
少し真面目な話をすると、自分を含め、μ'sの物語があんなにもたくさんの人々に受け入れられたのは、昔から秋葉原に通っている人たちにとって、彼女たちの活躍する舞台が身近な町並みの中にあったからなんじゃないかと思っています。 それを踏まえると、ラブライブ!サンシャイン!!の ―― Aqoursの物語をより深く理解しようと願うならば、やはりその舞台である沼津や内浦地区のロケーションに慣れ親しむことは必要不可欠なんじゃないかと思うのです。
Aqoursの9人が「助けて!ラブライブ!」と叫んだ内浦の砂浜のことだったり、黒澤ダイヤが自分の歌がよりたくさんの人々に届くようにと願った沼津の砂浜のことだったり、長井崎中学に向かう長い上り坂のことだったり、長井崎中学の丘の上から見える内浦の町並みだったり、彼女たちが帰り道にアイスを買うだろうセブンイレブンのことだったり・・・
南ことりが、秋葉原のことを「Wonder zone」と呼んだように、Aqoursの9人にとっても沼津や内浦という土地は、他に代えようのない大事な場所に違いないから。 サンシャイン!!のファンにとって、沼津や内浦が同じくらい大事な場所になって欲しいし、それが昔から内浦に住む人々にとっても喜ばしいことであってほしいと願っています。
わたしからは以上となります。
・・・
ラブライブ! Advent Calendar 2016 - Adventarの2日目はamadamu333の担当です。 よろしくお願いします!