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楠田亜衣奈さんのソロ・プロジェクトを振り返る〜2年目のコタエあわせ〜

この記事は、ラブライブ!Advent Calendar 2016 17日目の記事として公開されました。

www.adventar.org

16日目の記事は 踊り出す世界、またはスケルトン - raingamesの日記 でした。 ラブライブ!とはインド映画である” という持論を持つわたしとしては、共感しながら読ませていただきました。 *1 意図していなかったとは言え、楠田さんテーマの記事で挟んでしまいすみません!

目次

はじめに

世はまさに声優アーティスト戦国時代。

国内の様々なレーベルから2016年だけでもたくさんの声優さんがソロ・デビューしました。 一方、μ'sのメンバーに目を向けてみると、昨年末にソロ・デビューを発表した久保さんを含め、徳井さん以外の 8人が既にソロ・デビュー を果たしています。

これだけたくさんの方々がソロとしての活動を精力的に行う中で、 新たにソロ・デビューをする意味とは何でしょうか? それぞれの声優さんのファンは、ソロとしての楽曲や活動をどのように受け止めているのでしょうか?

もちろん、商業的な意味で天下り的に決まる部分もあるのでしょう。 しかしながら、せっかくデビューするのであれば、するだけの理由が欲しい。 「ソロ・デビューをしてよかった」 と、声優さん本人もファンも言えるような活動であってほしい。 恐らく、ファンの誰もがそのように感じているはずです。

μ'sメンバー個人のソロ・プロジェクトは、あえて徳井さんもそのカウントに入れるならば、 9人9色の展開を見せているように思います

楽曲の持つ力と圧倒的な表現力で、タイアップなしで誰よりも早く武道館への階段を駆け登った 内田彩さん

多彩かつ強力なタイアップを引っさげ、まるでエンターテイメント・ショーを見ているかのような世界を舞浜に作り上げた 三森すずこさん

ただひたすら真っ直ぐに、音楽への想いを楽曲にぶつけ、歌を歌う喜びをホールに響かせた 新田恵海さん

声優として、アフレコやキャラクター・ソングの仕事に全力を注ぎ、あえてソロ・デビューはしないと公言している 徳井青空さん

南條愛乃さん については、先日のAdvent Calendarであまだむさんが 熱い文章 を投稿してくださいました。 *2

また、15日のAdvent Calendarでは、サイコミュさんが 楠田亜衣奈さんの魅力 について語ってくださいました。

若干趣旨が被ってしまい恐縮ですが、この記事も、 楠田さんのソロ・アーティスト活動 をテーマにしたいと思います。

www.vap.co.jp

ソロ・デビューから1年が経過 し、3rdアルバムの発売を来年の2月に控えたこのタイミングで、この1年間の活動をファンとして見てきた中で感じたことや、考えたことを少しでも文章の形で残しておきたいと思ったからです。

将来の自分のために残す、という部分もありますが、あわよくば、これから楠田さんの楽曲を聴いたり、ライブ・イベントに足を運ぼうとする 新しいファンの方に読んでいただけたら と思っています。

タイムライン

まず、改めてソロ・デビューからの軌跡をいくつかのチャプターに分割しながら書いてみたいと思います。

ソロ・デビュー前夜のこと

楠田さんのソロ・デビューが発表されたのは、2015年5月9日の くすくすくっすん☀さんくっすん祭り 東京公演でのことでした。

ソロ・デビューの一報の後、その場で披露されたのは10月に発売されるデビュー・ミニアルバムの1曲目、 トドケ ミライ! でした。

イベントの後、楠田さんはこのようなツイートをしています。

楠田さんがデビューへと辿り着く道のりは、必ずしも平坦なものではありませんでした。 むしろ、その途上には 険しい障害物がいくつも立ちはだかっていた 、とすら言えるかもしれません。

ハッキリ書いてしまいますが、他の声優さんと比べたときに、楠田さんはもともと歌唱力が突出しているというタイプではないと思います。

実際、渡部優衣さんと一緒に毎週放送しているラジオ「楠田亜衣奈渡部優衣の気分上等↑↑」(通称アゲラジ)では、下記のような発言をされています。

わたし、実は声優のお仕事を初めていちばん最初の仕事が歌だったの。歌のレコーディングが最初の仕事で。
レコーディングなんてしたことないから、どうレコーディングしていいのかもわからないし。
プロデューサーの人に「君歌ヘタだったんだね」って言われたのを覚えてる。
そのときに、もっとがんばらなきゃって改めて思って、すごく色々勉強したのを覚えています。

アゲラジ 第34回(2015年5月26日放送)

そんな楠田さんにとって、最初にソロ・デビューの計画が持ち上がったのは、 2015年5月よりももっと前 のことでした。

kai-you.net

2013年9月に、以前の所属事務所であるJTBエンタテインメントのグループ内レーベル JTB MUSIC のソロ・アーティスト第1弾として楠田さんの名前が挙がり、 「2013年冬にデビュー」 するという発表がありました。

ところが、実際にJTB MUSICからデビューしたのは タビカレガールズ というユニットのみで、楠田さんのデビュー計画は一旦立ち消えになってしまいました。 *3

ソロとしてのデビューはなくなってしまった一方で、この時期は、前述のタビカレガールズの一員としての活動や、同年6月に始まったPileさんとのユニット Please & Secret としての活動があり、ラブライブ!以外での歌唱を含むお仕事がたくさんある時期でもありました。

この時期、わたし自身はまだ楠田さんの活動を追ってはいなかったので、正直なところウェブに残っている資料以外では活動の実態をあまり知りませんし、このあたりのことは、いまさら蒸し返す話でもないのかもしれません。 しかしながら「数年前にこういうことがあった」と、ウェブの片隅に情報が残っているくらいならばいいんじゃないかとも思っています。

以前からソロ・デビューの動きはあったんですけど、具体的になったのは比較的最近で。
その間に色んな方がソロ・デビューに向けて動いてくださっていて、いざデビューが決まったときは、感謝の言葉しか出てこなかったですね。

リスアニ! 2015年10月号 Vol.22.2

リスアニのインタビューでも語られているように、最初に楠田さんのソロ・デビューの話が持ち上がってから、実際にVAPからのソロ・デビューという形になるまで、そこには 1年半におよぶ冬の時期 がありました。

そんなコンテキストの中で、2015年のさんくっすん祭りでソロ・デビューの一報がなされたとき、古くから応援しているファンの方や、楠田さん本人の心境がどうだったか、わたしにはなんとなく想像することしかできません。 しかしそれは、少なくない不安を含みながらも、きっと、 春の訪れのように暖かいものだった に違いないと思います。

First Sweet Waveのこと

ソロ・デビューの一報がもたらされた さんくっすん祭り で披露されたのは、楠田さん本人の作詞による トドケ ミライ! でした。

先ほども引用したリスアニでは、 トドケ ミライ! の歌詞に込められた思いについて、次のように語られています。

はじめてファンの方の前で歌う自分の曲でしたので、皆さんへの感謝の気持ちを伝えたかったんですよね。
それで、最初にいただいた歌詞に私の思いも加えていただき、共同作業のような形で言葉を紡いでいきました。
(中略)
1番では『これまで応援してくれてありがとう!』という感謝の気持ちを書き、2番は私の歌で皆さんの日常に大きなパワーを与えたいという思いを表現しました。

リスアニ! 2015年10月号 Vol.22.2

本人の言葉をそのまま借りるならば、 デビュー・ミニアルバムをCDとして聴いたときに、真っ先に流れる曲 に込められていた想いとは、 日頃のファンへの"感謝の気持ち" だった・・・ということになります。

トドケ ミライ! の初披露の後、さんくっすん祭りで最後に歌われたのは、μ'sの、そして楠田さんにとっても原点の楽曲 僕らのLIVE、君とのLIFE でした。

先ほど引用したアゲラジの発言を信じるならば、楠田さんにとっては、この曲は 苦い思い出のある1曲 でもあるはずです。 しかしながら、ラブライブ!での大きなステージを何度も経験する中で、 苦しい中でも着実に成長してきた実感を伴った1曲 でもあったはずです。

ちなみに、 僕らのLIVE、君とのLIFE は、1stミニアルバム・2ndアルバムの サウンドプロデュースを手がけた山田高弘さん が作曲された曲でもあります。

いま振り返ってみると、あの場で 僕らのLIVE、君とのLIFE が歌われたことは、これまで楠田さんが歩んできた 成長の道のりを振り返ること でもあると同時に、これから発売される デビュー・ミニアルバムへの展望を示すこと でもあったように思います。

一方、この日のさんくっすん祭りで最初に歌われたYUIさんの My Generation も、楠田さんの本人の口から何回か語られている、馴染みの深い曲でした。

私はYUIさんがすごく好きで、声優を目指しはじめた16の頃から聴いていたんです。
その時に歌ったのが「My Generation」て曲なんですけど、2番に〈制服 脱ぎ捨てた16のアタシに 負けたくはないから〉っていう歌詞があって、すごく共感していて。
だからデビュー発表をする日に歌いたかったんです。

声優・楠田亜衣奈、初のソロ・デビュー作をハイレゾ配信&インタヴュー - OTOTOY

奇しくも、デビュー・ミニアルバムの表題曲 First Sweet Wave は、 My Generation と同じく 鈴木Daichi秀行さんによる編曲 でした。 *4

わたしは、 16才の楠田さんが憧れたアーティストに楽曲を提供した作家さん が、 楠田さんのソロ・デビュー作に参加されている ということを知ったとき、このソロ・プロジェクトに込められた半端じゃない想いを感じました。 *5 ソロ・デビューの全貌がだんだんと明らかになっていく中で、きっと素晴らしいものが発表されるのだと、たくさんのファンが期待に胸を膨らませていく時期だったように思います。

そうした中、 このソロ・プロジェクトで何を実現するのか? どんなアーティストになりたいのか? という問いに関しては、楠田さん自身も悩んでいたことがいくつかのインタビューから伝わってきます。

たとえば、 アーティストとしてどんな存在になりたいのか? という質問に対しては、次のように答えられています。

それはこれから出てくる気がします。
とにかく楽しくマイペースに、頑張りすぎずにそのときの私を表現できるようなアーティストになれたらなって。
それで自分の感じたこと、見たことをファンの皆さんと共有できたら幸せなのかなって思います。

リスアニ! 2015年10月号 Vol.22.2

また、ソロとしての活動がファンにどのように受け止められるのか、 不安に思っている時期 でもあったようです。

実は不安もあったりしますけど…。
ファンの方々に『こういうアルバムは求めていない』と思われてしまうんじゃないか、とか、今まで何かの役を通して私のことを見てくださっていた方々が"楠田亜衣奈"として私を見たときにどう映るのかな、とか。
そのような不安は何度も頭をよぎりました

声優パラダイスR 2015 Vol.8

そんな中、 First Sweet Waveフラゲ日当日に開催された くっすんサポーター応援会 in サンシャインシティ は、ソロ活動におけるひとつのターニングポイントだったのではないかと思います。 *6

natalie.mu

「果たしてソロとしての楽曲やパフォーマンスが認められるのか・・・?」 という不安の中、大勢が見守る緊張のステージを終え、ピコハンを持って現れた楠田さんは、かわいらしくもありながら、普段よりもずっと頼もしく見えました。

その後、ミニアルバム発売前後のイベントを駆け抜け、翌月の11月に迎えたリリース記念イベント。

このときはまだ持ち曲が6曲しかなかったため、ライブではなく、あくまでも トークコーナーなどを交えたリリース記念イベント という体裁でした。

デビューという大きな一歩を踏み出したばかりで全く不安がないと言ったら嘘になるけど
くっすんサポーターのあなたが応援してくれたら乗り越えていける気がする!!
いや、乗り越えていける!!

First Sweet Wave リリース記念イベント パンフレット

東京と大阪、計6回のイベントを終え、11月22日の大阪ラスト公演のMCでは、次のようなことが語られました。

今後ね、アーティスト楠田亜衣奈としてどうしていきたいですか?ってインタビューがすごく多いんです最近。
正直ね、どうしていきたいかとか、あんまわかんないんですけど、このイベント6回通して感じたことは、「この空間が好き」。
なんかね、楽しいんですよ。
「あたらしくて懐かしくてあたたかい」。
なので、いつまでもこうして、楽しい空間を、楽しい時間を、楽しい想いを共有できる、そんなアーティストになりたいと思います。

それは、ソロ・デビューと First Sweet Wave という作品に対する、 楠田さんなりの"コタエあわせ" だったように思います。

わからないことはわからないと答えながらも、それでもファンと一緒に作る空間が楽しいと言ってくれることが、当時、ひとりのファンとしてどうしようもなく嬉しかったことを覚えています。

Next Brilliant Waveのこと

2016年2月に行われた さんくっすんBIRTHDAY〜27年前の今日、楠田亜衣奈が生まれるってよ〜 というふざけた名前のイベントで、2ndアルバムの発売が発表されました。

さらに、単なるリリースイベントに留まらない正真正銘のライブ(しかも全国ツアー!)が開催されることが発表されました。

BIRTHDAYイベントに関しては、サイコミュさんも言及していましたが、わたしは ナタリーさんのレポート記事にあるこのフレーズ が大好きです。

サポーターとの未来を祝福するアッパーチューン「オーマイダーリン」

楠田亜衣奈、くっすんサポーターと“みんなのお母さん”に感謝届けた誕生日イベント - 音楽ナタリー

あの日、 オーマイダーリン という曲が歌われたときの盛り上がりを、これほどまでに的確に表現するフレーズは他にありません。ありがとうナタリー。俺達のナタリー。

ともあれ、2ndアルバム「Next Brilliant Wave」の報は最高の形でファンに伝えられました。

4月になると、インストアイベントが各地で開催され、真っ先に Inifinite MemoriesPOWER FOR LIFE の2曲が披露されました。 *7

下記のインタビューでは、デビュー・ミニアルバム First Sweet Wave の内容を踏まえながらも、 Next Brilliant Wave では更なる “成長"、"進化” がコンセプトの軸であると語られています。

昨年リリースしたミニアルバム『First Sweet Wave』では"いろんな楠田亜衣奈を見せていく"というのをテーマにしていましたので、今回は"成長"や"進化"を表現したいと思いました。
そこで、これまで私のライブやイベントを支えてくださったチームの皆さんが感じる"いまの楠田亜衣奈"を、いろんな曲で表せたらなと思ったんです。

声優アニメディア 2016年6月号

トドケ ミライ! にファンへの感謝の気持ちを伝えたいという想いが込められていたように、 Infinite Memories にはソロ・プロジェクトで(あるいはもっと前から)ファンと見てきた景色が、 POWER FOR LIFE にはお互いがお互いのサポーターとしてよい関係を保ちながら進んでいきたいという想いが込められていたように思います。

1stアルバムの表題曲『First Sweet Wave』はデビューのドキドキを恋愛に置き換えて描かれた曲です。
今回の『Infinite Memories』や『POWER FOR LIFE』はその延長線にある歌詞になっていて、恋愛ものでありつつ、次のステップを踏み出そうとする前向きな気持ちが描かれています。

B.L.T. VOICE GIRLS Vol.26 |TOKYO NEWS マガジン&ムック

Infinite Memories に関しては、次のようなコメントもありました。

『あっ、イベントのときには、こんなやりとりしたなぁ……』みたいな思い出がよみがえってきました。
今までも不安だらけの私の背中を押してくれたのはファンの皆さんでしたから、そういう気持ちをアルバムの1曲目で歌えたのはよかったと思います。

声優グランプリ 2016年6月号

この言葉を信じるなら、やはり First Sweeet Wave と同様に、 CDを聴いたときに真っ先に流れてくる1曲目 は、 ファンへの気持ちを歌った曲 だった、ということになります。

一方で、本人の前進志向がそのまま楽曲として表現されたのが 進化系HEROINE という、まさに “進化"をテーマにした楽曲 でした。

『POWER FOR LIFE』が応援歌だとしたら、こちらは自分の中につねにもっていたい"信念"の楽曲。
声優を志していた当時の気持ちがよみがえって、もっともっとがんばろうという気持ちが沸き上がってくるんです。
つねに進化し続けたいという私の気持ちがそのまま出ているので、これから先、私の座右の銘は『進化系HEROINE』にしてもいいのかもしれません(笑)

声優グランプリ 2016年6月号

“成長"や"進化” のコンセプトは、ライブのステージにもよく現れていたように思います。

曲全体に振り付けのある楽曲は、1stミニアルバムの トドケ ミライ!HO♡HOLIDAY に、 恋愛対象Countdown内気なバービー進化系HEROINE の3曲が加わり、2ndアルバムまでの 17曲中5曲がダンスありの楽曲になりました

特に、 内気なバービー に関しては、楠田さん本人が振り付けを考えている、ということがインストアイベントで語られていました。

表現という観点で触れるなら、 Next Brilliant Wave は楽曲の幅が広いためか、 楽曲ごとに主人公を想定し、その子になりきって歌う という声優さんらしいアプローチに挑戦されたそうです。

今回のアルバムでは"くっすんらしさ"を見つけられたらいいなと思って、
(中略)
その答えとして、曲に合わせて主人公の女の子を作り、その子になりきって歌うというアプローチに挑戦したんです。

B.L.T. VOICE GIRLS Vol.26 |TOKYO NEWS マガジン&ムック

楽曲やステージ、表現など、様々な面での"進化"が形となって実現された のが、楠田さんにとっての初めてのライブでもある、 Next Brilliant Wave の全国ツアーでした。

忘れられないエピソードとして、ツアーの初回・福岡公演では、 楠田さんからファンに向けての逆スタンド花が会場に飾られる というサプライズもありました。

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このスタンド花に散りばめられたガーベラの花言葉は、 Next Brilliant Wave のコンセプトと同じく “希望・常に前進” でした。

夢のつぼみ の歌詞にある

あなたのもとへ いつでも いつまでも この花を届けるよ

というフレーズをそのまま現実にしたかのようなサプライズに、その場で涙ぐんでしまうファンも多数いたとかいないとか・・・。

“アーティスト楠田亜衣奈"って響きは未だに慣れません。
でも、たくさんの応援がこうしてカタチになっていって。
少しずつ着実に前進しています。
そして、その前進と共に素敵な思い出がどんどん増えていく。
これからの私をつくっていく。
それがとってもとっても嬉しくって楽しくって… もっと!もっと!次へ進みたい!!って気持ちになります。

Next Brilliant Wave ライブツアーパンフレット

ツアーの国内ラスト公演では、こんなMCがありました。

ちょっとつらいことがあったときは、みんなの笑顔を思い出してがんばろうって思えるようになりました。
……みんなにとっても、私がそんな存在になれたらいいなと、心から思っています。

声優グランプリ 2016年8月号

また、記憶だけで書いているので意訳になってしまいますが、このようなMCもありました。

みんなが環境の変化とかで、一度イベントから離れてしまうことがあるかもしれないけど、わたしはいつでも戻ってこれるように歌い続けます。
ふとしたときに帰ってこれるような、そんな場所を作りたいと思います。
わたしはここに立っています。

群青シネマMy yesterdays という曲は、いまから過去を振り返る楽曲だと思っているのですが、その切なげな歌詞が 何らかの事情で現場を離れてしまったファンのことを歌っている ように聞こえることがあります。 そんな楽曲が歌われた後のMCだったので、なんだかジーンとなってしまって、会場を後にしてからも何も言えなかったのを覚えています。

楠田さんはときどき、単なるファンからすると想像もつかないくらい遥か遠くを見ているように感じられることがあり、このときもそんな風に感じました。

楠田さんのソロ・プロジェクトの特色とは?

以上のタイムラインを踏まえ、 First Sweet WaveNext Brilliant WaveEternal Precious Wave という3つの作品と、それに関連するイベントに参加したことで、個人的に思い至った2点の特色について紹介したいと思います。

借りモノを自分のモノへと変えていくこと

楠田さんは、 自分が参加したり観に行ったりしたイベントでよかったと思えるものは、すぐに自分のイベントにも取り入れる 姿勢を持っていると思います。

たとえば、 Next Brilliant Wave のライブツアーでは、 My yesterdays のアウトロで 客席に向かって深く頭を下げる という演出がありましたが、これは飯田さんが自身の tour of KISS3 で披露された演出に近いものでした。

また、ついこの前の Eternal Precious Wave リリース記念ライブでも、 群青シネマMy yesterdays は着席の状態で披露され、 夢のつぼみ では更に “ペンライトを消して聞いてほしい” と楠田さんの口から希望が語られる一幕がありましたが、これも南條さんが 自身のライブツアー において ヒカリノ海 からのバラード曲ゾーンで披露していた演出と同様でした。

万が一、本人がこれを読んだら “ネタばらしするなよ!” と怒られてしまうかもしれませんが、わたし自身は、そうやって他のアーティストさんの演出を取り入れていくことはいいことなんじゃないかと思っています。

事実、例に挙げた2つの演出は、楠田さんの楽曲にもよくマッチしていましたし、特に、 Eternal Precious Wave リリース記念ライブでのバラード曲ゾーンは、初めての アコースティックVer.の披露 でもあったため、立ってサイリウムを振るよりも、座って集中して聴きたいと思っていたファンは多かったに違いありません。

そんな “インプット"と"アウトプット"の関係 について、インタビューで楠田さんは次のように語られています。

今年は舞台やライブを見に行く機会がすごく増えて、”インプット”することが多かったんです。
ですから、来年も引き続きインプットをしつつ、自分の活動にそのインプットを活かしてどんどん"アウトプット"していきたいですね。

声優パラダイスR 2016 Vol.15

タイムラインは戻りますが、 Next Brilliant Wave のツアー最終日となる台湾公演では、すべてのセットリストを終えたあとにも関わらず、 ダブルアンコールの声に応えて楠田さんがステージ上に出てきてしまう というちょっとしたハプニングがありました。

そのときに一体何をやったかというと、

もう歌う曲はないので歌いません!

と宣言した後、概ね次のようなMCと “さんくっすん締め” が披露されたのでした。

正直言っちゃうと、ライブの後の三本締めってあんまり好きじゃないんです。
昔、どのイベントとは言わないけど、アンコールで出ようとしたら三本締めで締められちゃったこともあったし……。
だから、みんなで楽しくイベントを終われるような締め方を考えました!

代わりに披露された “1、2、さんくっすん!” がカッコイイかというと決してそんなことはない気がしますが(暴言)、 三本締めをやりたい人とやりたくない人がいて、やりたくない人がモヤモヤしてしまうよりは、みんなで納得した上で、現場ならではの挨拶で終われたほうがきっと楽しい という配慮だったのでしょう。

これは、借りモノだった三本締めをみんなで楽しく終わるための “自分のモノ” に変えた好例なんじゃないかと思っています。

あともう1つ、ここで言及しておきたいのは、一時期まとめ系ニュースサイトで取り上げられた “コール禁止” についての話です。

あくまでもわたし個人の視点での意見になりますが、楠田さん本人は “一律にコール禁止” とは1度もおっしゃっていない と思います。

“この曲はしっとりと聴きたい”という一定数のファンの声を聞いた上で、曲によっては、咲きクラップなどの明らかに声に被せるたぐいのコールはない方が嬉しいこともあるというだけの、あくまでも限定的な意見なんじゃないでしょうか。

事実、 Next Brilliant Wave ライブツアーでは 静かめの曲はコールなしで静かに楽しむ 一方で、 ラブリージーニアス では “好きにコールしていいよ!” という本人からの許諾があったこともあり、それはもう 活き活きとコールを叫ぶファンの姿 がありました。

また、細かいところでは、楽曲ごとのサイリウムの色なども、 楠田さん本人がこうしよう!と提案されることはあまりない ように思います。

Next Brilliant Wave のライブツアーが終わった後の本人のブログ記事には、こんな一節がありました。

誰か1人だけが楽しくてもダメだし、
誰か1人だけがつまらなくてもダメで
みんなで遊んで楽しい
そんなライブにしたかったので
少しだけ、私のこうしたいを伝えました。
(中略)
「くっすんのライブではこう楽しむ」
みたいなモノをみんなで一緒に創っていけたら良いなと思ってます!
今までの常識ではなくて
なにか新しい「くっすん識」
みたいな?

First live tour|楠田亜衣奈オフィシャルブログ「くすくすくっすん」Powered by Ameba

天下り的に声優現場の「常識」を受け入れるわけではなく、楽しい空間を作るためにひとりひとりの意見を取り入れながら、もっともっと楽しいイベントを作っていきたい。

“借りモノ” を “自分のモノ” へと変えていく ―― いわば新しい概念を導入する柔軟さと、それを改善するPDCAサイクルが文化として根付いている、というのが楠田さんのソロ・プロジェクトに対する1つめのわたしの意見です。

双方向的なコミュニケーション

ライブに行くと時々感じることですが、 楠田さんは本当にびっくりするくらいファンのことを見ている ように思います。

たとえば、 イベント中にファンの人を見たりするんですか? という質問に対しては次のように答えています。

結構見ます、私。
そしたら『この人こんな風に笑うんだ』とか、『タオルを回すとこんな盛り上がりなんだ』って発見とか、リリイベも回を追うごとに一体感が高まっていく感じでこうやって完成されるんだ、もっと先を見たいって感じました。

リスアニ! 2016年5月号 Vol.25

ファンとの関係性を語るのならば、何よりもまず、 First Sweet WaveNext Brilliant Wave の2つのアルバムにおいて、 作品の核となる曲がファンを意識して書かれている ということに目を向ける必要があるでしょう。

First Sweet Wave のCメロにある、

あたらしい 懐かしい あたたかい 空の下で

というフレーズが、 くっすんサポーターと作る空間のことを暗示している のは、 First Sweet Wave リリース記念イベントの最後に本人の口から “コタエあわせ” があった通りですし、 POWER FOR LIFE の歌詞の中にも、

君の好きな人でいられる人が誇り

という、 くっすんサポーターからの声援に力強く答える一節 がありました。

また、 Infinite Memories にも、 ソロとしての活動ひとつひとつをアルバムの1ページにたとえるフレーズ がありました。

通常、ソロのライブという空間は、 声優さん1人に対してファンが数百人いるという、とてもコミュニケーションが成り立つとは思えない環境 です。 しかしながら、楠田さんがソロとしての楽曲を歌い、ファンがその声援に答えるとき、そこには何らかの 言葉を超えたコミュニケーションが成り立っているような気がする のです。

それは恐らく錯覚に違いないし、もしかしたら声優さんのイベントに足繁く通う人間は大抵同じようなことを考えているのかもしれませんが(笑)、でも、その錯覚を信じることなしにどうしてファンがファン足り得るのか? とも、ごく個人的にですが思うのです。

一方通行ではなくて、私からも皆さんに元気を与えられたらいいなといつも感じているので……。
皆さんとは今のような近い距離感のまま活動していけたら楽しいだろうなと思います。

声優グランプリ 2015年9月号

楠田さんはよく、イベントやライブで “遊ぶ” という表現を使われます。 *8

それがいつ頃から定番化したかはよく覚えていないのですが、個人的には、 楠田さんの現場ほどこの言葉が似合う声優さんのイベントはない のではないかと思います。

ファンは、お客さんとしてただ楽しませてもらうというわけではないし、演者さんも、一方的なエンターテイメントとして空間を作ろうとしているわけではありません。 お互いの歩み寄りによって、より楽しく、より遊べる空間を作ろうとする雰囲気 があるのだと思います。

人によっては、そうした部分を少し敷居が高いように感じられてしまうのかもしれません。 でも、逆に言えば、新しくファンになった方も含め、 誰もが楽しめるような空間であるために歩み寄りができる 場所なのではないかとも思います。

最初の頃は『どんなアーティストになりたいか』って質問があったんですけどいまいちピンと来てなくて、声優をめざしてこの業界に入ったので『アーティストってなんだろう?』って感じでした。
でもリリース・イベントやライブをやらせていただいて、ファンの方と同じ空間を共有できるのがとても楽しいなって。
一方通行じゃなくてお互いがお互いを想い合ってる関係を作れたのがうれしかったんです。

リスアニ! 2016年5月号 Vol.25

脈絡なく、これまでライブで何回も披露されてきた オーマイダーリン の話をしますが、

最高!この瞬間(とき)終わらせたりしないから

この “最高!” と歌うときのテンションの高さが本当に “最高!” のときがあり、そういうふとした瞬間に、 楠田さん本人がどうしようもなく楽しんでいること が伝わってきてしまいます。 ファンとしては、そんな姿を見たらもう楽しくなってしまいますよね。 個人的な経験談で言うと、 ラブリージーニアスの間奏で突然モンキーダンスが始まるとき も、本人がだいぶ楽しんでいるときだと思っています。

First Sweet Wave から Next Brilliant WaveNext Brilliant Wave から Eternal Precious Wave とプロジェクトが進行していく中で、最初はまっさらだった “アーティストとして歌う意味” も、徐々に変化してきたように思います。

もちろん、他の声優さんが自分の中にある世界観の表現だったり、音楽が好きだという気持ちからアーティスト活動をするのとは少し違うかもしれないけれど。 楠田さんにとってのそれは、この節で述べてきた “双方向的なコミュニケーション” にあったのでした。

私が歌う意味って何だろうって考えてきたんです。
でも、私の歌が聞きたいって言ってくださるファンの方が目の前にいて、その方々がライブなどですごく笑顔になって楽しんでくれている様子を見て、あぁ、このために私は歌を歌っているんだなぁ、って感じて。
だから私にとっての歌は、ファンの方たちとのコミュニケーションツールというか、同じ思いを共有できる表現の形なのかなと思ってます。

My Girl “VOICE ACTRESS EDITION” Vol.16

個人的な意見になってしまいますが、わたしは、 楠田さんのファンほど幸せなファンはいないのではないか と思っています。 演者の側からこれだけファンのことを考えてくれて、 コミュニケーション自体を"歌う意味"であるとまで言ってくれる

お互いに楽しい空間を作りたいと思っていても、思ったように物事が進まないことだっていつかはあるでしょう。 しかしそれさえも、 Infinite Memories の歌詞に包含されているように思いますし、もっと言えば、色々な事情で現場を離れてしまったとしても、きっと戻ってこれる場所があるのだと本人が述べられています。

現状を維持しようとする慣性に縛られすぎず、いまを楽しいと感じる気持ちを大切に思いながら前に進み続けること。 それが肯定されているというのが、楠田さんのソロ・プロジェクトに対する2つめのわたしの意見です。

Eternal Precious Waveのこと、これからのこと

「Next Brilliant Wave」東京公演の様子が収録された映像ソフト Eternal Precious Wave のリリース記念ライブが行われたのは、つい先日、11月のことでした。

こうやって文章に起こしてみてもやや意味不明で、一体何のイベントなんだよ(笑)と突っ込んでしまいたくなるような位置付けのイベントでしたが、蓋を開けてみれば、 Next Brilliant Wave のツアー公演ともまったく異なる、非常に完成度の高いライブが待っていました。

まずセットリストの順番からしてライブツアーとはまったく異なっていましたし、冒頭からEDMに合わせ ダンサー2名とのダンスステージで幕を開けたこと や、セットリストの最後が振り付きの magic だったことなど、今回のためにたくさん準備をしていたことがよく伝わってくる公演でした。

その Eternal Precious Wave リリース記念ライブの最後に発表されたのが、3rdアルバムの発売でした。 3rdアルバム「カレンダーのコイビト」 に関しては、既に本人の口から

今までとは少し違う雰囲気のアルバムになる
絶対にいいものになると思う

と次回作への自信を覗かせる発言がありました。

また、今後の活動に関しては、 Eternal Precious Wave リリース記念ライブ・大阪公演で次のようなMCがありました。

ソロ・デビューから1周年を迎え、少し欲が出てきました。
いつになるかまだわからないけど、ポップアップできる会場でライブをやりたい!
みんなから独り立ちして、ひとりで歩けるようになりたいと思います。

更に、 Next Brilliant Wave ライブツアーのMCで “わたしはここに立っています” と宣言したことに対し、

約束、ちゃんと守ったでしょ?

とちゃんと “指切りの約束” を裏切らなかったことを自慢げに誇る一幕もありました。

ちなみに、ポップアップのあるステージをやりたいというのは、ソロ・デビュー当初から雑誌のインタビュー等で語られていたことでした。

あと、ライブでポップアップ(ステージ下から跳び上がって登場する舞台演出)をしてみたい!
実はやったことがないんです。
それができる会場でライブをやりたいし、跳びたいんです!

Pick-up Voice 2015年11月号

“少し欲が出てきました” という言葉の意味は、恐らくこれからの活動の中で徐々に語られていくことになるかと思います。

しかし、前節で書いたような “双方向のコミュニケーション” ができる雰囲気を守りながら規模を拡大するという意味であるならば、それはきっと、前人未到のチャレンジになるのだろうと想像しています。

Eternal Precious Wave リリース記念ライブは、 “Waveシリーズ” の集大成となるイベントでした。 恐らく、3rdアルバム、「カレンダーのコイビト」は、 “Waveシリーズ” 以降のプロジェクトがどうなっていくのか? という問いに対するひとつの回答になるでしょう。

発売日である 来年2月1日、楠田さんの誕生日当日 を楽しみに待ちましょう。 現在発表されている情報を見る限り、きっと2017年2月からの12ヶ月が楽しくなるようなアルバムになるに違いありません。

おわりに

「コタエあわせ」と題し、楠田さんのソロ・プロジェクトへの雑感を書いてきました。 ここまで読んでくださった方が、少しでもアルバムやライブに興味を持ってくだされば、それ以上に嬉しいことはありません。

ここで強く言いたいのは、 ラブライブ!以外での楠田さんの姿を知らない方にこそ、楠田さんのソロ楽曲を聴いたり、ライブに足を運んだりしてもらいたい と言うことです。 それが、ラブライブ!Advent Calendarにこの記事を投稿しようと決めたキッカケでした。

もし1回聴いたり体験したりして、それでも合わないのであれば仕方ないと思います。 でも、もしファイナル以降の楠田さんに触れる機会がなかったのでしたら、是非この機会に、ソロ・プロジェクトを通じて成長した部分を見ていただきたいと思っています(何様だよって感じですね)。

個人的に、 楠田さんは思ったり伝えたいと思ったことを必ずしも全部口に出すタイプではない と思っています。 でも、口に出さないながらも、本当に大事なことに関しては、鋭く本質を掴んでいる方ではないかとも思っています。

最後に、μ'sのファイナルライブが終わった後の楠田さんのブログ記事から引用させてください。

私はきっと
ふとしたことで思い出します。
場所や音や匂いで…
 
ラブライブ!のこと。
μ'sのこと。
東條希のこと。
 
楽しかったこと、嬉しかったこと、辛かったこと苦しかったこと、ぜんぶ。
そして、きっと、幸せな気持ちになると思う。
 
そんな気持ちを、きっとこれから先、一生もらえる。

ラブライブ!μ's Final LoveLive!~μ’sic Forever♪♪♪♪♪♪♪♪♪|楠田亜衣奈オフィシャルブログ「くすくすくっすん」Powered by Ameba

今回の記事で、恐ろしく身勝手な文章を書いてしまったかもしれません。 恐ろしく上から目線な文章を書いてしまったかもしれません。 それでも、きっと何かをアウトプットすることでいい方向に変わることもあると信じたいのです。

まずは来年1月13日楠田亜衣奈さんが表紙の声優パラダイスR Vol.16が発売されます 。 続く来年2月1日には、 3rdアルバム「カレンダーのコイビト」が発売されます 。 何卒、何卒よろしくお願いいたします。

ウェルカム・フューチャー! (記事中で一切話題に挙がらなかったので、ここに書いておきます)

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ラブライブ!Advent Calendar 2016、続く18日目(といってももう今日ですが)の担当は すみたくさん です。 どうぞよろしくお願いいたします!

Next Brilliant Wave(通常盤)(CD)

Next Brilliant Wave(通常盤)(CD)

ウェルカム・フューチャー

ウェルカム・フューチャー

声優パラダイスR vol.16(AKITA DXシリーズ)

声優パラダイスR vol.16(AKITA DXシリーズ)

*1:https://twitter.com/tondol/status/607356264180367361 を参照のこと。

*2:あまだむくんは内田彩さんの楽曲に関しても、Advent Calendar外で 熱い記事 を投稿されているので、是非ご一読ください。

*3:ototoyさんの記事 では、「音楽性や方向性の違い」が原因で実現しなかった、とあります。

*4:実は、 HO♡HOLIDAY の編曲をされているArmySlickさんも、元々E-girlsなどに楽曲提供をされていた方でした。楽曲制作陣のキャスティングが、楠田さんの希望を元にされていることは疑いがないと思います。VAPさんの力なのか、あるいは山田さんの人脈パワーなのか・・・?

*5:そのあたりを勘案すると、 Listen with のセットリストを見るのもなんとも楽しいです。

*6:余談ですが、アルバム発売日前後のフリーライブイベントでは、これ以降「喝入れ」が開催されるのが定番となりました。また、「喝入れ」の日に楠田さんやファンがカツカレーを食べるのも定番化しました。

*7:インストアイベント以外にも、このときは J-WAROS 2016 という当時の事務所主体のイベントでも楽曲の披露がありました。

*8:LiSAさんもよく 同様の表現をされるらしい ので、これも楠田さんが影響を受けて自分のイベントに取り入れた、という結果なのかもしれません。