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「ジパング」かわぐちかいじ

前々から軽く気になっていたので、ウェアハウスで1巻から5巻までを借りて読んでみたらやっぱりハマった。どうでもいいけど、8巻まとめて借りると400円っていうサービスは廃止されちゃったんだなあ。あれはシリーズをまとめて借りるのに都合が良かったから嬉しかったのに。おもしろいシリーズモノは、やっぱり一度読み始めたらラストまで一気に読破したいという気持ちもあるし。

ジパング(1) (モーニング KC)

ジパング(1) (モーニング KC)

で、「ジパング」。自衛隊のタイムスリップものと言えば「戦国自衛隊」なんていうのがあったけど*1、こっちはイージス艦が太平洋戦争真っ只中の時代にタイムスリップしてしまうという話。今まで触れたことのないジャンルっていうことで、専門用語や過去の歴史については門外漢なんだけど、何よりも設定の重厚さに驚かされる。緻密に書き込まれた人物と背景も、厚みのあるストーリーによくマッチしていた。

20世紀でもっとも激動していた時代・場所で、世界を変えられるだけの圧倒的な力を持った自衛隊と旧日本軍、そしてアメリカ軍が衝突する。各勢力の交錯する思惑を臨場感とともに描きながらも、「専守防衛」の自衛隊が実際の戦場でどれだけの犠牲を払わなければならないのかを、ifの視点から説得力を持って主張する。軍オタじゃなくても、読みながら思わず唾を飲み込んでしまうような、文句なく「重い」作品だ。タイムスリップもの特有の不思議な高揚感を残しながら、ページの中に広がるリアルな世界の中に思いっきり没頭できる稀有な漫画だと思う。つまり早く続き読みたい。

*1:ドラマスペシャルでやってた戦国自衛隊のラストが未だに衝撃的すぎて忘れられない。確かサトエリが出家してたヤツ