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「ゆめにっき」解釈その2(ネタバレ)

あるいは、「ゆめにっき」の主人公・窓付きは既に死んでいたとは考えられないだろうか。彼女が現実だと思っていたあの部屋すらも、実は現世とはずれた世界であり、あそこはいわゆる現世とあの世を繋ぐ三途の川的な場所だったという仮説。

だとすれば、夢から覚めたときに部屋から出られないことを簡単に説明できる。あの部屋のドアは現世から入ってくるためだけに存在する一方通行のドアであって、そこから出ること、すなわち生き返ることはできない。よって、当然彼女が取れる選択肢は死を受け入れること、すなわちベランダから飛び降りる他になかった、というわけだ。

夢の中でたんすの中に入っていたもう一人の窓付き――あの体こそが、現世で既に死んでしまった本当の自分だった。エンディング後、彼女が死を受け入れれば「ゆめにっき」のゲームはそこで終了するが、もし受け入れることができなかったならば、ゲームは再び1日目に戻り、「14日目」として進み始める。全くもって、何の救いもない。

「ゆめにっき」に関する妄想

「ゆめにっき」っていうフリーゲームを紹介してみる。

その内容は、一言で言えば「狂気系」と形容されるような、極めて不条理で不可解なもの。「ゆめにっき」の世界にあるのは、人が元来持っている根源的な恐怖を呼び覚ますような、異常なグラフィックと音楽ばかりだ。でも、その不条理な世界には、何か人を惹き付ける魅力がある。登場するキャラクターはどれもこれもグロテスクな外見を持ったものばかりなのに、その内面に親しみすら感じるオレがいる。

窓付き(主人公の呼称)の持つ「エフェクト」(RPGでいうアイテム)は必ずしも狂気に満ちたものではなく、ただ単に癒しを与えるものであったり、笑いを誘ったりするものも多い。「ゆめにっき」の世界は確かに不気味ではあるけれども、必ずしも悪意を持ったものではない気がする。「ねこ」みたいにひたすら可愛いだけのエフェクトが存在しているのが、その何よりの証拠じゃないかな。

無理やり世界観を解釈してみる(ネタバレ

窓付きの些細な行動が可愛く感じられるようになればなるほど、あのエンディングに納得がいかなくなってくる。何故窓付きは自室のドアから出ることを嫌がり、終いには自ら永遠の夢の世界へ旅立つことを選んでしまったのか。夢の中の魑魅魍魎たちに勇気付けられて、家の外に出ることを決意する――そんなハッピーエンドがあっても良かったんじゃないか、と。

ニコニコのプレイ動画を見ているうちに、自分の中にこの物語に対するひとつの解釈が生まれた。それは、「ゆめにっき」の世界とは、外に出たがらない窓付きが自らの内面に作り出した、異世界に繋がる扉なんじゃないか、というもの。

窓付きが夢と言う窓を通じて異世界に接続したのは、外に出たいと言う願望を叶えるためであって、逆に言えば、「ゆめにっき」で夢の世界が存在する理由は、窓付きに外に出られるだけの活力を与えるためなんじゃないか。だとすれば、「ゆめにっき」のエンディングは、決して望まれた結末ではなかったはずだ。本来望まれていた結末は別にあったはずなんだ。

そんなことを考えるに至った理由は、単純に「ゆめにっき」のいくつかの場面に不思議な感傷を抱いてしまったから。

ひとつは、「階段」と呼ばれるマップで、おばけみたいなキャラクター(通称キュッキュ君)の前に窓付きが座る場面。もうひとつは、「デパート」と呼ばれるマップにある小部屋の奥で、窓付きが縦笛を吹く場面。どちらのシーンも、あんな不気味な世界の中にあって、形容しがたい感傷を呼び起こす。なんでだろう、どうみても異常な画面なのに、見ていて涙さえ出そうになる。

結び

「ゆめにっき」は、はっきり言って万人にお勧めできるゲームじゃない。怖いのが苦手な人とか、心臓が弱い人もまずプレイすべきじゃないだろう。でも、不条理系ゲームが好きな人とか、不思議な話が好きな人、あるいは、「ひぐらし」みたいにシナリオの意味を妄想するのが好きな人にとっては、これ以上魅力的なゲームはない気がする。もし興味があればとりあえず以下のプレイ動画をどぞー。

「うみねこのなく頃に」始めました。宿題放置で

孤島!歴史ある屋敷!迫り来る嵐!という3拍子そろった舞台ではあるんだけど、「推理は可能か、不可能か」というキャッチコピーはミステリーとしての方向性を放棄しているような気もする。ストーリーはひぐらしに比べると最初から暗雲が立ち込めている感じで、大富豪の遺産相続だのなんだので、下手な昼ドラよりも展開がドロドロしてる。途中まではキャラクタ紹介や背景説明が大半で退屈だったけど、魔女伝説の輪郭が見えてきてからは段々とスピードアップしてきた。この分なら早めに読了できるかも。

物語の語り手は主に戦人(ばとら)*1なんだけど、戦人が居ない場面では三人称になったりと、ひぐらしの構成と比べるとこなれてきた印象。シーンが変わると時計が出てきて時間の進みぐあいを教えてくれるので、時間軸が巻き戻ったりしても混乱せずにシナリオを読み進めることができる。TipsやSaveの画面も含めて、ひぐらしに比べるとだいぶインターフェイスが改善された。

キャラクタの中では朱志香(じぇしか)が一番好みぽかったけど、実際にプレイしてみると予想以上に紗音(しゃのん)のキャラがいい。意外なことに、「うみねこの富竹」こと譲治はやけに人格者だった*2。執事の郷田は性格が悪すぎる。

キャラクターの名前が素敵なのは、決して竜騎士07さんのセンスがアレということではなく、恐らくは最近多いDQN親のネーミングに対するアンチテーゼと見るべきだろう。それともう一つ気になるのは、「うーうー」言ってる真里亞(まりあ)*3の頭の上に載っている謎の王冠。あれどうやって固定してるん?落ちないん?

*1:読み方に突っ込んだら負け

*2:でもやっぱり時報で死ぬと思う

*3:ひぐらしでいう沙都子ポジション?でもポロリはないよ

Fate/hollow ataraxia メインルート100%

4日目の午前中に郊外のアインツベルン城に行ってしまうと、午後は街中に戻れないので未読のイベントを見逃してしまう罠。この点に気付けばあとはマークの付いてるイベントをこなしていくだけで100%になった。もちろん花札ミニゲームもプレイ可能に。やっぱ慎二くんはファンディスクで大幅に株を上げたな。

後日談はバゼットさんとカレンの「お約束」なオチ。そんな長いシーンでもないのにコメディ寄りの名台詞が続々。さりげなくアヴェンジャーとの仲のよさを感じさせる部分もあったりして、メインルートを締めくくるには十分な内容だった。カレンと士郎の掛け合いが特に素敵。ちなみに、歌詞の元ネタは昭和54(1979)年の「別れても好きな曲」という歌謡曲。これは流石に古すぎてわかんねーよ。

残りは"SPECIAL"の方の未見CGがいくつかあるだけなんだけど、どうやら花札を地道にクリアしていかないと見れないみたいよ。

「Fate/hollow ataraxia」とりあえずクリア

イベント回収率はまだ9割弱だけど、メインルートはクリア。ちなみに、プレイ時間は25時間ほど。オレとしては本編よりも好きなエンディングだった。本編の終わり方がひたすら「燃え」志向であるのに対して、hollowのエンディングは方向性がちょっと違う。以下軽くネタバレ気味。

幸せに回り続ける四日間のループを破棄して、それでも明日に手を伸ばそうとする主人公の決意とか、最後の最後でアヴェンジャーが提示するバゼットへの救いとか、桜と凛と街のサーヴァントたちが協力して、エンディングに向かっていく流れとか、そして何よりも、クライマックスで流れるBGM「last piece」が凄くいい。正直涙ぐんだ。

奇麗事でも偽善でもなく、自分の中にある疑いや苦悩を抱えたままでいいから、あえて苦しい選択肢である「明日」を選ぼう――みたいな。人の弱さや汚さを否定するわけではなく、そういう負の側面も認めたうえで、これからの自分と向き合っていく。そういう前向きな答えが朝日のように眩しかった。

ファンディスクっていう物自体が、本編で足りなかったキャラクターとのエピソードを補完するためのモノな訳だけど、そういう「平穏な日常を何度も繰り返すこと」が必ずしも正しいのかという疑問を、hollowのシナリオは提示してるんじゃないかなー、と深読みしてみたり。

ともかく残り数パーセントの未踏イベントを制覇することに専念しよう。オレとしたことが、凛のプールイベントをまだ見ていないのだ。

「Fate/hollow ataraxia」始めました。

つーわけで「stay night」が終わったらさっさとファンディスクに突入。なんかセイバーもライダーもランサーもアサシンもキャスターも普通に街に居るんだけど、どんなエンディングを迎えればこんな状況になるのか。ランサーの海釣り姿が妙に似合ってて素敵。街を自由に移動してシナリオを選択するシステムには面食らった。ああ、これがギャルゲーのシステムってやつか。

前作ではひたすら憎まれ役だった慎二が微妙なポジションに移動。あれ、なんか可愛くね。港で小さく背中を丸めてる姿が妙に哀愁を呼び起こす。こんな慎二だったら救ってやってもいい。プロローグではバゼットやらアヴェンジャーやら、凛と桜のそっくりさんやら色々登場してきたけど、どうやってこのストーリーが纏まっていくのか。ここまで読んだ印象では前作よりもおもしろいかもしれない。

「再び運命の幕が上がる。それは約束の四日間。」ていうコピーがカッコいい。宣伝文句に負けないクライマックスがあるものと期待してる。

「Fate/stay night」ふるこんぷー

プレイ時間2日と3時間也。いやー長かった。でも「ひぐらしのなく頃に」全編を足し合わせたのに比べたらだいぶ短いか。これで長文ノベルゲームも怖くないかも。好きな順にルートを並べると UBWのTrue > UBWのGood >= FateのTrue > HFのTrue > HFのNormal って感じかな。