FLYING

〈全日本・紀文豆乳飲料シリーズ「麦芽コーヒー」の500ミリリットルパックを扱う小売店が少ないことに遺憾の意を表明する会〉活動記録

夢とはもっと脈略のないものだ

東京タワーは階段から自力で登ることができるって言う話は結構有名だと思うんだが、今朝方の夢はそれにまつわる話。舞台は東京タワー自体から少し離れた、踏み切りがあったり住宅が立ち並んでいたりする、下町に良くありそうな街角。そんな街角の二叉路の隙間に、それは存在していた。

東京タワーの頂上へと続く階段。

しかしそれは、階段と言えるようなしっかりとしたものではなかった。楕円の形をした板が階段状に配置されただけの、手すりもなければ足場も不安定な階段。東京タワーという高い高い場所へ上っていくには、あまりに頼りなさ過ぎる階段。

僕は何度となく足を踏み外しそうになりながら、その階段を上ってみた。すると目の前に、白髪のお婆さんがいるのに気がついた。杖をつき、ひぃひぃ言いながら、この危ない足場をよたよたと上っていく。何故、こんな見ただけで危険と分かるような階段を、そんな老いた体で上ろうとするのか。疑問が生まれるよりも早く、僕は彼女に「危ないから下へ戻るんだ」的なニュアンスの言葉を投げた。

あるいは、彼女も誰かに制止してもらうのを待っていたのかもしれない。彼女は素直に僕の言葉に頷いた。しかし、さあ戻ろうと、彼女の手を取ったそのとき。僕は、果てしなく高く続いていく階段の中腹から、誰かが谷底に落ちていくのを目撃してしまった。言葉は出なかった。ただ顔が蒼白になっていくのを感じた。彼女も同じものを見たらしいことは、握っていたその手がこわばったことから容易に推測できた。

急いで、けれども慎重に、ふたりで階段を下りていった。冷や汗はずっと止まらなかったが、なんとか地面にたどり着くことができ、僕はお婆さんとささやかな喜びを分かち合った。生きて帰れたことに感謝した。

そこに何故か、ユニークなあのO教諭が自転車で通りがかった。詳しい会話内容は覚えていないが、要はあの階段が「自殺登山」的な目的のためによく使われている、とのことだった。だから、先ほどの落ちていった誰かも、もしかしたら死んで本望だったのかもしれないと、僕は自分の中で結論付けようとした。

また、教諭によれば、その自殺登山をしに行く人は、近辺の道路に鍵を投げていくとかで、なるほど、あたりの路上には銀色の物体がいくつも輝いていた。最後に、その教諭は「塩で囲んだものはね、憑くからよくない。憑いてしまったらもう二度と戻らないからね」的なオカルティックな言葉を述べて去っていった。彼が去ったことで、僕の夢もそこで途絶えた。

ここまで書いて思ったんだけど、「老婆」というキーワードと「階段」という舞台は芥川龍之介の「羅生門」を髣髴とさせる。また、試しに「僕」を「オレ」に置換してみると、文章の雰囲気を携帯小説っぽくすることができる。

よって結論。