FLYING

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まどか☆マギカを通して見た

今更感に定評がある。

ラスト解釈

「すべての魔女を生まれる前に消し去りたい」という願いの結果としてまどかは世界自身となり,過去と未来のすべての魔力を使い切った魔法少女を迎えに行くという使命に囚われた。一方で,「まどかを守りたい」という願いの結果としてほむほむは世界を守るための存在となり,魔獣と戦い続ける使命に囚われた。これらの使命が終わることは人類文明の終焉と同義であり,ラストシーンではほむほむが消滅する直前の,人類文明における最後の戦いを描いていると考えられる*1。消滅のその瞬間にはまどかが迎えに来てくれるわけで,「いつかまた、もう一度ほむらちゃんとも会えるから。それまでは、ほんのちょっとだけお別れだね」に繋がる。

主人公議論

最後の最後に魔法少女になるまどかが何故シリーズタイトルであり主人公なのか。それは,魔法少女が魔女になって魔法少女に殺されるという絶望の連鎖を解き放つ存在がまどかだったからであり,まどかがそれを可能にする巨大な魔力を持ち得たのはほむほむがワルプルギスの夜までの1ヶ月間をひたすらループしたからであり,ほむほむがまどかを守ろうと思ったのは最初のループでほむほむにそれを決心させるだけの性質をまどかが「既に」持っていたから*2

主人公が持つべき素質

まどかがほむほむに語りかけた「大丈夫、きっと大丈夫。信じようよ」という言葉は,まどかの素質を示す端的なワードであると同時に,カードキャプターさくらの「なんとかなるよ、絶対大丈夫だよ」という言葉に重なるようでもあり,魔法少女モノの主人公にあるべき姿を反映しているように思える。ゆえに,まどか☆マギカは王道魔法少女モノの正当な継承作品であると私は思う。

気になること

達也くん(まどかの弟)の方がまどかよりも絵が上手な件。

*1:画面に広がる禍々しい翼のイメージは,それまでに繰り返された数多の戦いの存在を示唆している

*2:魔法少女としての素質をまどかが最初から持っていたという意味では,「この作品は主人公の成長物語ではない」という批判は説得力を持っているように思える