FLYING

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おおかみこどもの雨と雪を見た

田舎の虫の多さがガチに表現されていて,私に田舎暮らしは無理だと悟らせるのに充分であった。

グロテスクさについて

「父はおおかみでした」というファンタジーの上に「子育て」というリアリティを積み重ねているあたりにちょっとしたグロテスクさを感じた。周りに信用できる人間が皆無であるという状況では,引っ越す前の時点でノイローゼに掛かって無理心中エンドもありそうだし,貯金が底をついて無理心中エンドもありそうだし,引っ越してからご近所さんとの対応を間違えて村八分からの無理心中エンドもありそうだし,死亡フラグが地雷原な状態で非常に怖い。花さんは20回くらいループして地雷の位置を完璧に把握しているんじゃないか。

バランス感について

前時代的な家族観や田舎の人間関係を無条件に肯定するサマーウォーズにおける姿勢と比べると,子育てと田舎暮らしのそれぞれについて,プラスとマイナスの双方を描くバランスが優れているように思った。また,人間側もしくは狼側のどちらかに偏重しないよう,あくまでも中立としての成長を描こうとする信念も感じられる。こうした「バランス感」がジブリ映画に見られるような説教臭さを払拭しているし,あくまでも判断はそちら側でしてね,という姿勢には素直に好感を持った。

明るい家族計画

コンドーム製造会社,あるいは生命保険会社などがスポンサーにつくと実に説得力があってよかった。