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CDの売上が減ったという話

ustreamのDJライブなどを再生しつつ,今後はこういう形で楽しむ音楽が増えていくんじゃないかなあ,なんてことを考えた話。

対象をネット上のライブに限る必要はなくて,重要なのはおそらくリアルタイム性と双方向性ではないかと思う。ライブというのは一種の祭りなので,その場で他の大勢と一緒に体験しないと意味がない。ただ一方的に音楽を聴くだけではなく,歓声をあげたりコメントをすることによって,楽曲の作り手と直接コミュニケーションを取れることも見逃せない。

最近CDが売れなくなったという話をよく耳にする。しかし,その原因の本質は違法ダウンロードでもなくJ-POPの衰退でもなくて,ただCDを買って聴くという単調な消費行動に消費者が飽きてしまったからではないだろうか。声優やアイドルは,一般的なバンドに比べてファン全体に対するオタク層の割合が高いので,CDを購入する率も自然と高くなる。その結果,邦楽のランキングはアニソンやアイドルの楽曲で溢れ返ることになる。

ライト層は既に,CDを買うことに意義を見出していない。楽曲を聴くだけならば,着うたやyoutubeでいくらでも聴けるのだから。そしてこのネットでいくらでも聴けるという状況は,いくら規制をしたところで抑えることができるものではないし,データをコピー・転送するコストが限りなく低くなってしまった以上避けようのない事態でもある。

一方で,同人音楽の市場に目を向けると,CDを買って聴くという従来の消費スタイルが依然として広く行われており,その勢いは減るよりもむしろ増大している。これは,同人市場においてはCDを買うという行為自体がひとつの祭りであり,楽曲の作り手との距離がメジャーに比べて近いことが大きく作用している。消費者にとっては,同人CDを買うという行動自体がひとつの非日常的体験であり,楽曲の作り手とのコミュニケーションの手段となっている。

ライブに行く程のファンであればCDも買うだろうから,ひとえにCDを売る意味がなくなったと言うことはできないけど,ドラマの主題歌がミリオンヒットするような時代が終わったのは間違いない。商売という面から考えるならば,ライト層からお金を巻き上げることが難しくなっているので,今後はオタク層からより多くのお金を搾取する形に変わっていくはずだ。一方で,同人音楽みたいな作り手と聴き手の距離が近い業界は,今後もそのリアルタイム性と双方向性を武器に勢いを拡大していくのではないか。

例によってmixi日記からの転載ですが

個人的には,物理的なメディアとして所有したいと思えるほどのCDでもなければ,iTMSで圧縮音源をダウンロードするだけで十分だと考えている。自分の精度の低い耳では圧縮音源とCD音源との違いを聴きとることなんてできないし,下手に中間業者を通してCDを買うよりはiTMSで買った方がアーティストにちゃんとマージンが流れそうだというのもひとつの理由だ。

音楽業界がいかに危ないか俺が優しく教えるスレ【働くモノニュース : 人生VIP職人ブログwww】

それでも大手はまだ体力があるから
本当にやばいのは作家さんとか音楽を作ってる人達
その次にCDショップ。
大手レーベルは緩やかに死んでいく。

大手レーベルが生きようが死のうが,評価されるものはきちんと評価される市場であって欲しい。