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Transition#1に行ってきた

id:minaraiにそそのかされてTransitionという映像に関する勉強会に行ってきました。Flashに触ったことはあるけどボールがバウンドするアニメーションを作っただけで挫折してしまったあの秋の日からおよそ数年,相変わらず動画に関しては見る専だったオレが堂々とそんなイベントに参加していいのかどうかは脳内会議でも意見の分かれるところだったのですが,クラスタの違う人たちが集まった方がたぶんおもしろいから,との理由で参加を熱烈にお勧めされてついに頷いてしまったのでした。

勉強会

会場は赤坂のツインタワーの13階にあるライブドア本社の会議室。プロジェクターとスクリーン,そしてホワイトボードのそろったごく普通の会議室に総勢15+2人が集まり*1,およそ2時間の間,スピーカーさんの発表を聞いたり雑談したりしました。テキトーなメモを基にプレゼンの内容を書き起こしたので,以下に載せておきます。

1. yama_koさん : 光の表現のメカニズム

映像の中で眩しさを表現する際に,色のぼかしと加算モードでのレイヤー合成を組み合わせるとそれっぽく見えるというTips……だけではなくて,加算モードでレイヤー合成すると何故眩しく感じるのかを詳しく考察されてました。RGB値がどのように合成されるのか,かなり突っ込んだ解説もあって,今まで合成モードの意味を理解していなかった自分にとっても勉強になりました。あと,プレゼンの構成が意表を付いていて面白かったです。

2. kawachoさん : アナログ撮影を利用してデジタル映像に効果をつけるお話

デジタルだけで完結する映像制作の過程に,「アナログで撮影する」という作業を加えてみよう,というプレゼンでした。アナログ環境を一度通すことによって独特の空気感が生まれるとともに,デジタルでは難しい自在なカメラアングルを実現できるとのことでした。アナログ撮影を利用することで手軽に「それっぽい映像」を作れるとおっしゃってましたが,あんなにセンス溢れる映像を手軽に作れるなんてちょっと信じられないオレが居ます。

3. hsgnさん : 映像のベクトルとか

動画の各コマに含まれる「共通項」に注目することで,閲覧者の側から見た「動画の節目」を明確化すると同時に,この「共通項」をわざと崩すことによって動画にメリハリを作ることができる,という内容でした。内容と直接関係があるわけではないのですが,非常に論理的なプレゼン作りをされる方で,独特な単語選びが印象に残りました。まさか動画の勉強会で「因数分解」や「微分」といった単語を聞くことになろうとは。

4. eau.さん : タイポグラフィと記号化

動画の中に配置される文字には「デザインとしての文字」と「メッセージとしての文字」と「表現に意味を付与する文字」の3種類が存在するという話でした。「デザインとしたの文字」と「メッセージとしての文字」については,動画を見ながらある程度意識したことはあったのですが,「表現に意味を付与する文字」については全く考えたことがなく,まさに目からウロコでした。それにしても,言葉の選び方といい引用文の選び方といい,まったく持って年下とは思えなかったです。

5. クロユキさん : 展開や動きの「ストーリー」について

動画にストーリーを与えるのは「起承転結」「段階的な変化」「物語」の3要素であり,特に「起承転結」の崩し方がうまい作品はカッコいいというお話でした。クロユキさん本人の作品を例に,詳しく起承転結のポイントを解説されてました。プレゼンがまだ未完成だったそうですが,個人的には「DDDot」のインパクトが強すぎてプレゼンの内容が吹っ飛んでしまったくらいでした。初めて知った作品を作者本人の解説付きで見ることができたのは本当に幸せだったと思います。


下手なまとめではありますが,参考になれば幸いです。解釈が間違っている部分などがありましたら,申し訳ないですがコメント欄で指摘していただければと思います。また,プレゼンに使った資料は後日Transitionの公式サイトで公開するとのことなので,当日来れなかった方はもう少し待つと幸せになれるかもしれません。

懇親会

勉強会のあと,会場すぐ傍の居酒屋で懇親会があり,そちらの方にも参加させていただきました。同じテーブルに座ったのはllcheesellさん,asuka_xpさん,こなさん,id:eau_0c,クロユキさん,そして主催の見習いさんとyama_koさん。主催のお二方の裏話を聞いたり,yama_koさんとこなさんの合作作品「Memory Parade」を鑑賞したりしました。

上でも書いたことですが,作者本人の解説付きで作品を見られるなんて,これまでの自分の常識ではまったく想像できない体験でした。こうやってみんなでわいわい動画を見て楽しめるだけでも,イベントに行った甲斐があったと思います。残念ながらもう1つのテーブルに座っていた方とはあまり話せなかったのですが,いかさんがVJに使うソフトを見せていただいたり,カギさんのお話を少し伺ったり,ニコニコで「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」のPVを見て盛り上がったりしてました。

懇親会の終了後に二次会があったのですが,あのメンバーの中でぐいぐい話題に付いて行く自信がなかったのと,自身が未成年という理由から早引けさせてもらいました。

感想

映像技術に関してはほとんど知識がないということもあって,今回の勉強会で得た知識をすぐに実践するというわけにはいかないのですが,重い腰をあげてFLASHの体験版をインストールしてみよう!と思えるくらいの刺激を得ることができたと思います。また,これまではどこか雲の上の人だと思っていた映像クリエイターの皆さんと実際に話すことができたのも,自分にとっては大きな経験になりました。

年代の違う参加者の方が多かったので,懇親会でうまく溶け込むことができるかどうか心配だったのですが,不思議と気兼ねなくお話しすることができました。これも,積極的に話題を振ってくださったasuka_xpさんと,若い参加者を気遣ってくださった主催の見習いさんとyama_koさんのおかげだったと思います。本当にありがとうございました。その他参加者の皆さんも,当日は素敵なお話をありがとうございました&お疲れ様でした。

Transition#2の開催はまだ未定のようですが,もし映像に少しでも興味を持っているのあれば,思い切って参加表明してみることをお勧めします。FLASHをほとんど使ったことがないのに参加してしまったオレのような馬鹿もいるので,技術の有無はそこまで気にしなくても(たぶん)大丈夫だと思いますよ!

おまけ

*1:2名は会場を提供してくださったライブドア社員の方