FLYING

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オレは相変わらずミジンコ並みに普通だった

商店街の街灯にカラフルな電球の装飾が散りばめられて、夕暮れ時に窓の隙間から灯油販売のトラックの切なげな音色が届くようになって、透き通った夜空の下で吐いた息が白く見えるようになって。

――今年も、冬がやってくる。

そして、冬が来るということは、あの唾棄すべきクリスマスが近づいているということでもある。モテない男たち(オレ含む)の玄関ポストに続々と「クリスマス中止のお知らせ」が投げ込まれる中、オレの身近にも「クリスマス中止のお知らせ」が来ないヤツがいたらしい。……あの、裏切り者め。

先日から気温が一段と下がって、夜はダウンジャケット無しでは厳しい寒さになってきた。クリスマスが来るヤツにも来ないヤツにも、冬だけは平等にやってくるみたいだ。さて、春が来るその日まで、一体どうやって寒さを凌ごうか。そもそも、春なんて本当にやってくるんだろうか?