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電気羊はGphoneの夢を見るか?

朝の電車で隣の人の日経新聞をチラ読みして知ったのだけど、最近あまり話題になっていなかったGoogleが、携帯電話業界に新たな革命を起こそうとしているらしい。本来は携帯電話用のオペレーティング・システムであったはずのソフトウェアが、突然の落雷によって自我を持ち始める――なんてベタなシナリオが想像できそうなプロジェクト名、その名も「Android」。この名前は、将来Googleがアンドロイド開発に乗り出すときに困るんじゃないかなあ、と思ったけれども、向こう30年はその心配も杞憂に過ぎないだろう。

Google Phone」の噂は以前から存在していたが、携帯電話のOSを世界全体で統一しようなんて試みに打って出るとは誰が想像しただろう。正直、途方もない話だ。国内のケータイでさえ、メーカーごとに操作体系が異なっていて乗り換えがしにくい状況だというのに、Googleはその先を見据えて、「世界単位」での統一を提案してきやがった。誰だって無茶だって思う。でも確かに、心の底からわくわくするような提案ではある。そして、Googleには実現に漕ぎつけるだけの体力がある。

もし実現すれば、何が起こるだろう? すべての携帯にミニOperaが載るようになるだろうか。ユーザが作ったプログラムを、仮想マシンなしに携帯の上で動かせるようになるのだろうか。突貫工事と言われる携帯向けソフトウェアの開発の様相も少しは変わるかもしれない。あるいはもっともっと素敵なことが、手のひらの上で動き始めるかもしれない。少し、個人的な夢を上乗せしすぎているだろうか?

とはいえ、本当に日本でGoogle製のOSを乗せたケータイが発売されるかどうかというと、多少懐疑的にならざるを得ない。企業同士が集まって規格の統一を計画したとしても、交渉が決裂して結局白紙に戻ってしまった例はいくらでもある。ユーザー不在のHD-DVDとBlu-layの競争にしたってそうだ。Googleによるプラットフォームが完成しても、メーカーは現状を優先して採用を見送るかもしれない。ただでさえ、日本の携帯電話業界は、世界標準からは離れた場所にいるのだから。

本当に電気羊がGphoneの夢を見るかどうか。また、それによってユーザーに何がもたらされるのか。すべてが明らかになるには、あと1年の歳月を待たなければならない。オレは、今使っているN902iがそれまで動いてくれることを願っている。