FLYING

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夏の終わり。夕焼けで終わり。

それは、空が最も綺麗な姿を見せる瞬間。朱く染まった大気の下で、遥か遠くの山並みが薄っすらと浮かび上がり、郊外に連なる鉄塔が長い長い影を伸ばす。いつだって夕焼けを見れば、何かの衝動が胸のうちに生まれる。何処かへ走り出したい焦燥。明日に見出すささやかな希望。

台風9号が首都圏を横断し、人々が大騒ぎしたその日の夕方。薄汚れた排気ガスも、行き場のない感情も、すべて強い風が何処かへ持ち去ってしまった。だから、残っているのは澄んだ空気だけ。ただオレンジ色に染まる、静かな街の風景だけ。








この時、夏休みが本当に終わったんだと思った。

台風で休校になった日に食べたランチメニュー。